会ったこともないおじいちゃんを感じられた日

私の父方の祖父は30代で病気でなくなり、私はもちろん父も祖父のことを覚えていません。そのことを子供の頃はずっとさびしく思っていました。

私が小学校6年生の頃、私と弟は夏休みに祖母の家に泊まりに行っていました。そのとき、勇気を出して祖母に祖父がどんな人だったか聞いてみました。

祖父と祖母との出会い、父が生まれたときのこと、病気になった原因など、祖母は様々なことを話してくれました。そして、押入れから祖父の元気だった頃の写真を出してきてくれました。

祖父は教師だったのですが、教え子たちと撮った集合写真や、祖母とのお見合い時の写真、また父が生まれたばかりで父を抱いている写真などたくさんありました。

私も弟も、祖父のことは何となく勝手に聞いてはいけないのかなと思っていたので、祖父のことを何も知らなかったし、顔を見たのも初めてでした。祖父は、孫の私が言うのもおかしいですがとても男前で昔の俳優みたいで、私と弟は興奮して「おじいちゃんかっこいい!今でも俳優でいけるよ!」とか「おじいちゃんとおばあちゃん美男美女じゃん!」などと、しばらく写真の祖父のことを大声で叫んでしまいました。

すると突然二階で誰かが歩いているようにみしっみしっと天井で音がしました。祖母の家は二階建てですが、祖母は足が悪くなってからずっと一階に住んでいて、二階の窓を閉め切っているので誰かが忍び込んだわけもありませんでした。

すると祖母が「孫がほめてくれたから嬉しくて遊びに来てくれたのよねお父さん」と言って泣き出してしまいました。念のため私と弟で二階をチェックしましたが何もなく、やはりあれは祖父の足音ということで三人で一致し、暖かい気持ちになりました。祖父がいないことが嫌でしたが、その日のことがあってから嫌だとは思わなくなりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です